最近読み終えた『ムーミンパパ海へ行く』のお話の中で、ムーミンママがホームシックになって、壁の絵に入り込んでしまう場面の話をしたときも、私は恐ろしい展開だと思ったのですが、こどもにあらすじを伝えても、やっぱり感想は共有できませんでした。
「どこが怖いの?」
と質問されて、絶句してしまいました。
ムーミンというかわいらしいキャラクターの物語だと思って聞いてる分には、メルヘンな展開に聞こえるかもしれません。
リンゴの木にもたれて眠るムーミンママのシーンは、私は怖いと感じました。
多分そのイラストだけ切り取ったグッズがあったら、かわいいと思うのですが、話の前後を含めると、「かわいい」と言えるかわかりません。
歯車がどんどんずれて、転げ落ち始めたら途中で止まれないような、壊れていくような、そんな感覚で読んでいました。
ムーミンが美しいうみうまに夜の浜辺で出会うシーンは、『セーラームーンSuperS』でちびうさがパジャマのままベッドを抜け出して、湖でペガサスのエリオスと出会うシーンと重なりました。
美しいものに触れて、うっとりする姿が印象的でした。
こどもにこの素敵なシーンを私の言葉だけで、伝えることが出来るかな。
もし私に細かなディティールまで伝えることの出来る表現力があって、こどもが想像することが出来たらいいのだけれど。
ムーミンも読んでいないし、セーラームーンのアニメも知らないこどもに「美しい馬」が伝われば、きっといい夢を見られそうだけど。
続いて『ムーミン谷の仲間たち』を読んだときに、「ニンニ」という目に見えない子(透明人間みたいなこと)が出てくるのですが、エピソードが有名すぎて、「やっとあの有名人に会えた!」という感覚で、読んでいました。
あと、ムーミンパパがにょろにょろと旅に出かけてしまうお話が印象的でした。
そうしてパパは、とつぜんにさとったのでした…家にいても、ほんとうのパパがそうであるべきほどには、自分はじゅうぶん自由で冒険好きでいられるのだ、と。
コロナの自粛生活のときにこんな気持ちに出会いたかったです。