小説『ガールズ・ブルー』(あさのあつこ/2006.11.10)を読みました。
読むのは二度目ですが、内容を全く覚えていませんでした。
そのため、とても新鮮な気持ちで読めました。
一度目に読んだのは、高校を卒業後5年もたたないタイミングでした。
高校生たちの日常が描かれているこの作品は、当時の私には当たり前すぎて新鮮味を感じられなかったのかなぁ。
いや、この物語のような高校生活を送ってた訳ではないので、「当たり前の日常」では全くないですね。
高校時代からはるか遠く離れた現在、改めて読んでみると「決して戻らないエネルギーと若さに溢れた時代」が自分にももしかしたらあったのかもしれないと錯覚してしまうような作品でした。
映画『リズと青い鳥』が淡い色の水族館のイメージと対比するとしたら、小説『ガールズ・ブルー』はもっと群青色のような濃い色のイメージです。
汗が噴き出る暑い真夏のイメージです。真夏と言っても、太陽の強い日差しばかりではなくて、夕立が降ったりと、次に何が起こるかわからない不安定さもあります。
成長途中に揺らぐ不安定で未完成の美しさに惹かれるようです。
それは、よく知っているはずの人のときどき垣間見ることのできる全く知らない顔を覗かせた瞬間に惹かれるのと似ているのかもしれません。
大人になってもゆらゆらふらふら漂いたいものです。
今公開中の映画『ソウルメイト』が見てみたいです。
どこの映画館でも公開しているわけじゃないみたいです。
美しい映像に静かに浸りたいな。