「いつも乗る通勤電車の時間が同じ」という人は多いのではないでしょうか。
必然的に乗っているメンバーの顔ぶれもだいたい同じになってくるようです。
お互いに顔見知りになるのを避けたいので、車両や乗る位置を微妙に変えてみたりします。
気まずくないですか?
顔を覚えてしまったところで、別のところでばったり会ったりなんかしたら。
「なんか知ってるけど、誰だっけ?」と頭の中でぐるぐる考えて焦ることを避けたいのです。
私が降りる駅に電車が着くと、いつも前方の車両から、同じ人が出てくることに最近気が付きました。
その人のリュックに「なんかちいさくてかわいいやつ」のぬいぐるみキーホルダーがぶら下がっています。よくそのぬいぐるみと目が合うので、なんとなく覚えてしまいました。
その人が急ぐと、背中のぬいぐるみも、激しく揺れます。
「今日も元気に暴れているなぁ(←ぬいぐるみが)」とぼんやりした頭で、その後ろを私も足早に歩きます。
別にストーカーになりたい訳ではなく、同じひとつの改札に向かうので、結果的にいつも後方を歩くことになるのです。
お互いに顔を知らないので、電車内でばったり会っても、気まずくはないはずです。
他にもリュックにぬいぐるみキーホルダーをつけている人をよく見かけます。
フラミンゴ、ワニ、ゴリラ、ちょっと変わった動物を見かけると、どうしてその子を選んだのかな〜と考えるのが好きです。
きっと、その子を選び取るに値する物語をみんな抱えているに違いないと思って眺めています。もしくは、一緒に過ごしていくうちに戦友のような存在になっていくのでしょうね。
プリキュアシリーズにそれぞれマスコットキャラクターが存在するように、持ち主の「マスコットキャラクター」みたいなものでしょうか。
「マスコットキャラクター」でないとしたら「守護神」というか、はたまた「持ち主の分身」のような存在なのでしょうか。
背中で揺れるぬいぐるみたちは、物語のマスコットキャラクターとして選ばれしものたちということですね。
リュックにつけているぬいぐるみが、気づいた時には薄黒く汚れてしまっています。
「いつの間に?」
と、よく不思議に思っていました。
知らない間に真っ黒になっていたりする理由が今ならわかります。
歩くときリュックにつけられたぬいぐるみはけっこう激しめに動いています。
自分の背負っている最中のリュックを見ることは出来ないですもんね。
今リュックを背負うのは、こどもとのお出かけぐらいです。
リュックにぬいぐるみをつけることを卒業したとばかり思っていた私でしたが、そういえば、リュックにぬいぐるみをぶら下げていました。
こどもの目印になるために目立つものとして、黄色い「ミスターメン」という黄色いにこちゃんマークに手足のついたようなキャラクターのキーホルダーです。
背中で揺れるぬいぐるみたちは、「ここにいるよ」という「目印」という役割も果たしているようです。