午後のうたたね

ゆるミニマリスト風主婦がふらふら漂う日常

ピーターラビットと懺悔のおはなし

ピーターラビット」のかわいさがイマイチよくわからない小学生でした。

サンリオ全盛期だった小学生時代に、そのウサギは一部の女子の間で人気者でした。

私は、否定するようなことは決して口には出しませんでしたが、いぶかしくその様子を眺めていました。

学校の図書室にもその小さな本がありました。

オチがよくわからず、面白いわけでもなく、動物たちの表情がいまいちよくわからず、何故人気があるのかよくわかりませんでした。

小学生のある年のクリスマス、500円でプレゼントを買ってみんなでプレゼント交換をする催しをしました。

正しくは、母に頼み込んで、うちの家で最初で最後の「クリスマスパーティー」なるものを開催させてもらいました。

 

結局自分が欲しいものをプレゼントに選び、わくわくと準備をしました。

自分が何を準備をしたのかはすっかり忘れてしまいましたが、私のもらったプレゼントは「ピーターラビットのぬいぐるみキーホルダー」でした。

包みを開けて、そのつぶらな瞳と目が合った瞬間絶句…するわけにもいかず、気持ちとかけ離れた感嘆の声を上げていました。

そのプレゼントを用意してくれた子は、ピーターラビット好きだったんだね。

 

クリスマスパーティーがお開きになった後、私はすごく泣いて母を困らせました。

そのピーターラビットはひげをひっぱると、スッとそのひげが抜けてしまい、その脆さもなんだかとても腹立たしく感じたのです。

そんなに自分勝手で好みにうるさいのなら、500円で自分の趣味のものを買えばよかったのに。

全くもって贅沢でわがままなこどもですね。

 

今、そのピーターラビットはいません。

いつ手放したのかすら全く記憶にありません。

その最初で最後のクリスマスパーティーもピーター以外の記憶が全くありません。

 

ピーターラビット キーホルダー」と画像検索しても、かわいくデフォルメされたキャラクターのようなキーホルダーしか出てきませんでした。

私が手にしていたものは、もっと原作に近い、海外から直輸入したような、決してこどもに媚びたデザインではないものだったはず。

きっと原作の絵に近ければ近いほど、いいのです。

友達たちは小学生のうちから、この良さがわかっていたなんて、恐れ入ります。

だから、何の罪もないピーターラビットにも、キーホルダーを選んでくれた友達にも悪いことをしたなと思います。とばっちりの母にも。もう遅いけど。

 

大人になってから、映画『ミス・ポター(2006年)』を見る機会がありました。

ピーターラビット』の作者ビクトリアス・ポターの話です。

何故、ピーターラビットがアニメのようなキャラクターではなく、写実的なうさぎなのか。たくさんの自然の中で育ったポターがたくさんのスケッチを重ね続けて誕生したウサギという、背景をようやく知りました。

ピーターラビットは、もともと商業目的で描かれたデザインではなく、スケッチの延長上にいた子だったのですね。

まだ映画の余韻が残るその映画の帰り道に、私はピーターラビットの絵葉書塗り絵を購入しました。

そして、色を塗っては近況を書いて、友達に送りつける贈るということをしていました。う~ん…完全なる自己満足!

自分勝手さに呆れてしまうような思い出の懺悔でした。