名前にアルファベットのつくお料理教室に通っていたことがありました。
料理コースに加えて、製菓コースにも手を伸ばしてみることにしました。
↓ここに出てくる料理教室です
ある日の製菓コースでは、「いちごのショートケーキ」を作ることになりました。
私の手際の悪さに、先生があからさまにイラァッとしています。
「あ~先生今イライラしてるな~」
と、気づいたところで、とりあえずやることをやるしかありません。
「私はお金を払って教えてもらう教室で、先生をイライラさせているんだな~」
と思いながら、泡だて器をとにかく動かして、クリームをかき混ぜる他ありませんでした。
何はともあれケーキが出来上がりました。
先生1人に対して、生徒は4人です。
4つのケーキが並びました。
ところが、私が作ったケーキと隣の人が作ったケーキが全くの別物のようなんです。
材料も器具も気温も先生も全く同じはずなのに、明らかにお隣のケーキのほうが美味しそうです。
お隣のケーキは、特に白い生クリームがふんわりきめ細やかで、お店で買ってきたケーキみたいです。
思わず「え、なんか違う!」
と声を出してしまいました。
隣の人は「実はちょっとやってて…」と、少し照れた様子で、他での経験値を匂わせました。
「なに」をちょっとやっていたのかはわからないけれど、十分な答えでした。
なんとなくですが、正体を明かしてくれて、腑に落ちました。
私の感じた「なんか」の違和感の正体は、経験値と腕前とセンスと…数えればキリがないのだけれど、どうやらこの料理教室に気まぐれに通うぐらいでは、あと何年たってもたどり着くことのない境地だと、気づいてしまったのでした。
自分の作ったケーキの気になるお味は、全く覚えていないません。
イライラされながら作るケーキは、なんだか苦い味がしそうですね。
でも、きっとただの甘くて何の変哲もないケーキだったんだと思います。
なにせ記憶にないので。
それとも指導のおかげで、より奥深い味になっていたのかもしれません。
一応、細補足しておきますが、先生は途中イラッとはしたけれど、ちゃんと指導はしてくれました。クリームをかき混ぜる時は先生の手順をしっかり守っていますよ。
まだ実家ぐらしで、作ってもらった料理を食べるのが当たり前だった時代に、お料理教室に通えたのは、新鮮な体験でした。
独学になりがちな料理作りですが、誰かと一緒に料理を作るのは、学校の調理実習以来でした。初心者も、料理が得意な人も一緒のテーブルで学びます。
お題「やって良かった習い事を教えて」ということで、お料理教室に通っていたときのことを思い出しました。
テレビや本やYou Tubeでも学ぶことは出来ますが、お手本にはならないような、どこにも発信されることのない、色々な人が料理を作っているところを見ることができたという点で、やってよかったなと思います。
今は家族に料理を作ることが多いのですが、誰かに入れてもらったコーヒーのほうが美味しく感じるのはどうしてなのかなぁ。
「イラアッとした先生に学ぶ、製菓コースの魅力とは?」
AIタイトルアシストだと、こんなタイトルが出て、思わず笑ってしまいました。
確かに読みたくなるタイトルなんだけどさ。
自分の考えたタイトルのままにしました。