昨日に引き続き「家」に関する本を読みました。
昨日の『前の家族』と違って、単身者向けの賃貸マンションの一室を舞台にした話です。
- 『もぬけの考察』/村雲菜月/2023.7.27
奇想天外な物語が、日常にひそむ不安と恐怖を映し出す。
短編の物語を読み進めていくうちに、最後の物語にはっとさせられました。
全体的には読んでて気持ちのいい物語ではなかったのですが、こんな短編の構成は大好きです。
友人から預かったペットの鳥と過ごす話があるのですが、人の家で「かわいいな~」と眺めることと、実際一緒に住んでお世話するのは、全然別物なのだなと思って閉口してしまいました。
ここからは本の感想ではなく、私のことです。
私は、近所のペットショップの前を通るたびにインコのような鳥がかわいくてよく眺めていました。
ある日、お店の人が「鳥を手に乗せてあげようか」と言ったのですが、断ってしまいました。
確実に飼うと決めたとき以外は、触れてはいけない気がしました。
たまに眺める距離で今はいいようです。
今の家に住み始めた当初、この物語と同じように家にクモが出てきたんです。
大きさと見た目の気味の悪さから、追い出す方法ばかり考えていましたが、そもそも先に住んでいたのは、そのクモだったのかもしれませんね。
大きなクモに見慣れて、もう誰も騒がなくなったころ、こどもが「佐々木クモちゃん」という名前をそのクモにつけて、「うちのペットだ」と言い出しました。
クモが出てくることを期待したり、探したりするようになったころ、そのクモはもう何年も見なくなりました。
もう出て行ってしまったようでした。
ペットにはなりたくなかったんだね。
あくまで、住人だったということかな。
前に住んでいた人の痕跡や、隣の人の気配を嫌がる人が多いのでしょうか。
私はそこまで嫌ではないかもしれないです。
大きな騒音は困るけれど、毎日同じ時間に聞こえる音は何の音なのか想像してみたりします。
そうか、これが「考察する」ということなのかな。
日常の奇妙な扉が開くのを待っているのかもしれませんね。
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